この章では、命題の対偶について、その定義と基本的な扱い方を紹介していきます。
対偶命題の定義
- 「AならばB」(記号で \( A \Rightarrow B \))という命題の対偶とは、「BでないならばAでない」(記号で \( \overline{B} \Rightarrow \overline{A} \))という命題です。
- 命題とその対偶は、**真偽が常に一致**します。
- したがって、「対偶が真ならば元の命題も真」と言えるため、証明において対偶を使うことが非常に重要です。
概説
数学において「AならばB」の形の命題を証明するとき、 そのまま証明するのが難しい場合があります。
そのようなとき、対偶である「BでないならばAでない」を証明すると、元の命題の真偽を判断できます。
たとえば、「nが奇数ならば \(n^2\) は奇数」という命題の対偶は「\(n^2\) が偶数ならば \(n\) は偶数」となり、元の命題と対偶の命題で証明のしやすさが異なる場合もあります。
例題
次の命題の対偶を答えなさい。
- 「aが実数で、\( a > 2 \) ならば、\( a^2 > 4 \)」
- 「nが偶数ならば、\( n^2 \) は偶数である」
略解
- (1) 元の命題: 「\( a > 2 \Rightarrow a^2 > 4 \)」 対偶は: 「\( a^2 \leq 4 \Rightarrow a \leq 2 \)」
- (2) 元の命題: 「\( n \) が偶数 \( \Rightarrow n^2 \) は偶数」 対偶は: 「\( n^2 \) が奇数 \( \Rightarrow n \) は奇数」
答え: (1) \( a^2 \leq 4 \Rightarrow a \leq 2 \) (2) \( n^2 \) が奇数 \( \Rightarrow n \) は奇数
